「エジェクターピン」とは
射出成形で型が開いた後に成形品を「コア」から押し出す為の金型部品です。
「エジェクターピン」が無ければ、
型が開いた後に成形品を「コア」から取リ出す事が出来ません。
「エジェクターピン」は成形品の形状に合わせ、
長さ、径、先端形状を変える事により様々な種類を使います。
形状の単純な成形品に対しては
1種類の「エジェクターピン」だけで済む事もありますが、
形状が複雑な成形品になると数十種類以上の「エジェクターピン」を使用します。
手のひらサイズの成形品でも100本以上の使用本数になる場合もあります。
「エジェクターピン」が少ないと型組時の手間は少なくて済みますが、
成形品を押し出す強度が足りずに折れてしまったり、
一部の「エジェクターピン」に負荷が集中して、
その部分が膨れたり、薄い部分を貫通してしまう問題が発生します。
また、配置のバランスが悪いと成形品が変形してしまう為、
型設計時に適切な位置に、適量を配置する必要があります。
型組時の調整も重要で「エジェクターピン」が
「コア」から飛び出ていると「キャビ」に当たってしまい型を破損したり、
成形品に穴や凹みが出来てしまいます。
逆に「エジェクターピン」が下がり過ぎていると、
成形品に凸形状が出来てしまいます。
最悪の場合そこに圧力が掛かり「エジェクターピン」が破損して、
樹脂漏れを起こす可能性もあります。
「エジェクターピン」の長さも重要です。
例えば四角い成形品の四隅に配置した場合、
四本の「エジェクターピン」の長さが均等になっていないと、
成形品が歪んで出てきてしまい不良品になります。
単純ですがとても重要な金型の機構です。