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微細加工とは

■ 微細加工の定義とは

私たちが微細加工という言葉をイメージした時には、肉眼では細部を確認する事もできないような極小の精密部品や製品をまず思い浮かべます。確かにそれも間違いでは有りません。実際にφ0.1mmのエンドミルによる形状加工を行った場合、当然極小部品のため製品のクランプ、工具、測定、仕上げ、梱包に至るまで一般的なサイズ(肉眼で正確に認識できる大きさ)と同じという訳にはいきません。微細部品専用のクランプ治具、工具、極小測定用クランプ治具、非接触型測定器といった全ての工程に対して市販されていない治具、または通常の加工で使用しない測定器を使用しての加工が必要になります。
この様に何から何まで一般的な工具・設備とは異なったものを使用して行う、製品そのものが極小の場合も微細加工と表現します。

次にW100mm×L100mm×t10mmの製品を加工を行う場合、このような加工にも微細加工が関係することがあります。こんな大きさの製品が微細加工に関係があるのか?と不思議に思うはずです。それでは次にこうイメージしてください、この製品の一部にφ0.03mmの穴がピッチ0.1mmで無数に空いていてその部分の板厚もt0.1mmしかありません。どうでしょうか?
これもまた、加工部分は全体から見ると一部ですが、微細加工であると言えます。

このような例を挙げると冒頭にイメージした微細加工との違いが良く分かると思います。
更に例をあげると、φ0.04mmのボスが立っている、0.5mm×0.5mmの角穴が空いている、0.05mmの高さの三角形の凹凸がある、0.05mm幅の溝がある、SR0.05mmの凹凸がある等、一部微細加工が必要な製品は実は世の中に数多く存在しています。
加工においてもクランプは一般的なバイスや治具で行い、工具においては、通常工具と微細工具両方を併用します。測定器も同様に三次元測定機、顕微鏡測定器、画像測定器を組み合わせて測定します。また型彫り放電加工、ワイヤーカット、研磨機など切削加工以外の方法も複合的に使用します。この様に部分的に微細加工があるものを、ここでは製品の一部が極小の微細加工と表現します。現在、微細加工についてはこのような表現しかないため、微細加工の中での分類を、この2つに大きく分類させていただきます。

■ 精密加工の定義とは

日本工業規格(JIS)にもとづいて一般公差(特に公差指示のない寸法)の等級が精級に設定されている部品加工が大きな枠での精密加工だとします。しかし実際には幾何公差が入る事によって精度の難易度は等級では判断できなくなり一般公差が中級だとしても精密加工になる場合が出てきます。また材質、大きさ、形状によっても難易度が変わるため、加工方法、加工設備、技術者の技量により製品品質に大きく影響が出ることになります。精度を求められる加工こそが精密加工です。