本来は成形品がコアに残らなければならないはずが、 キャビに喰いついてしまう現象をキャビ取られと言います。 特殊な場合を除いてキャビには押し出す機構が無いため、その時点で成形は不能となります。 ひどい場合は成形品が型に固着してT0品も取れず再製作になる場合も有ります。
製品の収縮方向を考慮して、喰い付きがなるべく弱くなる形状をキャビ側にし、コア側よりも大きな抜き勾配を付けます。 コアには製品が残る様に、キャビよりも抜き勾配を小さく付けます。 この様に型設計を行い、抜き勾配を付けると、成形時PLが開く時には抵抗が弱いキャビから 成形品が外れ抵抗が強いコアに残り、その後製品をE-PINで押し、コアから外れる仕組みになります。
金型の設計を行う時に重要な作業の一つに抜き勾配の設定があります。抜き勾配は良品を安定して連続成形する為に重要な要素となります。型の中に入った成形品を押し出す時に 抜き勾配が付いていれば、成形品が抜け易くなります。